この記事では、オレンジワインの基本から具体的な味わい、製造方法、などを解説します。また、おすすめのオレンジワインついても詳しくご紹介します。これを参考にして、オレンジワインを理解し、楽しく飲みましょう!
オレンジワイン(アンバーワイン)の基礎知識
ワイン発祥の地と言われているジョージアでは、
紀元前6000年頃から造られ、「アンバーワイン」
と呼ばれ長い歴史のあるスタイルのワイン。
2000年代にはいりイギリスのワイン商がアンバー
ワインを「オレンジワイン」というネーミングに
して世界中に認知されるようになりました。
オレンジワインの造り方の特徴は、白ブドウを
つかって赤ワインを造るように果皮や種子等と
ともに発酵させて醸(かも)しを行うこと。
オレンジワインは白ブドウから造られています!
- ブドウを潰し、発酵、醸(かも)しの際、果皮や種子から渋みや苦味、色素も抽出されて
オレンジの色調になり、醸(かも)しの期間によって、色調や味わいは様々 - 発酵(アルコール発酵)とは、ブドウの糖分を酵母がアルコールと二酸化炭素に分解すること
- 醸(かも)しとは、アルコール発酵中に果皮や種子を漬け込み、アントシアニン、タンニン等を抽出すること
他のワインとオレンジワインの違いや特徴
赤ワインの造り方や特徴
- 黒ブドウを使用
- アルコール発酵時に果汁に果皮・種子も一緒に漬け込む(醸(かも)し)
- アルコール発酵、醸(かも)しをして、熟成、ろ過、瓶詰め
- 醸(かも)しにより、皮や種の成分を抽出するため、一般的に赤ワインは苦味、渋みがある
赤ワインの場合、ブドウを破砕し、発酵中に果皮と種も一緒に漬け込まれ、色素やタンニン、香り成分が抽出されます。
アルコール発酵時に果汁に果皮・種子を
漬け込むことを、マセレーション
(フランス語:マセラシオン、日本語:
醸(かも)し)と言います
マセレーションの期間は、数日間~数週間
もしくは数カ月
白ワインの造り方や特徴
- 白ブドウ、黒ブドウを使用 (主に白ブドウ)
- アルコール発酵は果汁のみ
- ブドウを速やかに潰し、果汁(ジュース)を抽出、発酵、熟成、ろ過、瓶詰め
- 皮や種からの抽出する成分が 少ないので、一般的に苦味、渋みが少ない
白ワインの場合、ブドウを速やかに潰して、果汁(ジュース)を
抽出します
ブドウを潰し果汁(ジュース)を抽出する
前に、一定の時間、果皮を漬け込み、
果皮の内側に詰まった芳香成分を抽出し
果汁(ジュース)にする生産者もいます
これをスキンコンタクト(フランス語:
マセラシオン・ぺリキュール)
オレンジワインの特徴
- オレンジ、アンバー(琥珀)の色調
- フルーツや茶葉のような香り、酸味、渋みやタンニンがあり、白ワインと赤ワインの中間的なワイン
- 白ワインと赤ワインの中間的なので、いろんな料理に合わせやすい
- ブドウ品種や醸造の仕方で、いろんなオレンジワインがある
オレンジワインは、白ブドウを数週間から数か月の長いスキンコンタクトするので
「白ワインを造る際、長い期間スキンコンタクトしたワイン」もしくは、
「赤ワインを造る際、黒ブドウではなく、白ブドウでマセレーションしたワイン」
オレンジワインの2大産地
オレンジワインの聖地、ジョージア
- ジョージアは、紀元前6000年頃からワインを造っており、ワイン発祥の地と考えられている
- ジョージアでは、クヴェヴリと呼ばれる壺でワインを造る、伝統的なワイン造りが今も続いている
- ジョージアでは、アンバーワイン(琥珀色のワイン)と呼ばれている
イタリアのフリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州
- 1973年、ヨスコ・クラヴネルが父親のワイナリーを受け継ぐ
- 1997年、友人から230リットルの小型のクヴェヴリを入手し、オレンジワインを造ったが、
イタリアワイン雑誌「ガンベロ・ロッソ」の評価が低かった為、キャンセルや返品が多かった - フリウリでオレンジワインを立ち上げた人物として、ヨスコ・クラヴネルとスタンコ・ラディコンが有名
オレンジワインが自然派ワインブームにのった?
白ワインは酸化防止の役割があるタンニンが少な
いので、タンニンが多い赤ワインにくらべると
亜硫酸(酸化防止剤)が多く必要ですが、
オレンジワインは赤ワインと同じように
造るので亜硫酸を抑えることが可能。
そこで自然派ワインの生産者の方たちが、
オレンジワインとして造ることで、亜硫酸の
添加が少ないワインを造り、自然派(ナチュラ
ル)ワインのブームにのって世間に広まっていっ
たと考えられます。
ですが、全てのオレンジワインが自然派ワインなのかは、わかりません!
おすすめオレンジワイン
ジョージア・ワイン
- ヨーロッパ・スタイル(ステンレスタンクや樽などを使用した醸造法)
- クヴェヴリ・スタイル(クヴェヴリと呼ばれる壺でワインを造る、伝統的な製法)
ブドウ品種 | ヨーロッパ・ スタイル | クヴェヴリ・ スタイル |
ルカツ ィテリ | レモンや柑橘類の香り、フレッシュで、しっかりした酸味、すっきり爽やか | 柑橘類やダージリンティーの香り、程よい苦味と酸味、土っぽい要素 |
ムツヴァネ | パイナップル、トロピカルフルーツの香り、穏やかな酸味、やわらかな味わい | アプリコット、桃の様な香り、果実感 タンニン、渋みがしっかりある |
イタリアのフリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州
ブドウ品種:リボッラ・ジャッラ(スロヴェニア
ではレブラと呼ばれる)のワインはおすすめ。
フリウリとスロヴェニアのブルダ地方の土着品種
で、世界的に土着品種回帰のながれがあり、
リボッラ・ジャッラが注目されています。
日本のオレンジワイン
日本にもオレンジワインを造っている、たくさんのワイナリーさんがあります
ココ・ファーム・ワイナリー(栃木県足利市)
カーブドッチ・ワイナリー(新潟県新潟市)等
まとめ
オレンジワインは、白ブドウを使って赤ワインの
ように造られる特別なワインで、色合いはオレン
ジや琥珀色。香りにはフルーツや茶葉のような
要素、酸味と渋みもあり、いろんな味わいの
オレンジワインがあります。
白ワインと赤ワインの中間的な味わいなので、
いろんな料理と楽しんでください。